2020.06.17(Wed) - 15:55 - 3:55 pm
早めの受診で発熱の原因解明
早めの受診で発熱の原因解明
免疫の働き
風邪や胃腸炎によって起こる発熱
風邪や胃腸炎等によって起こる発熱は、体内に侵入した細菌の増殖を抑えるために、免疫機能が活発に働くことによって起こります。
体内で発生するガン細胞。
外から侵入する細菌、真菌、ウイルス。
免疫は、これらをいつも監視し、撃退しています。
たとえば、風邪のウイルスによる風邪
お腹の風邪といわれる胃腸炎
熱が上がるのは、免疫がちゃんと戦っている証拠なのです。
しかし、だからといって自分で、大丈夫だと決めてしまうのは危険なこともあります。
発熱時は免疫が大いに活躍してくれている状態と言えますが、別な原因で熱が出ることもあり、自己判断せず、発熱の診療を受けることが大事です。
熱が上がる原因はいろいろです。
体内で炎症を起こす病気。
薬の副作用。
原因がわからないもの。
深刻ではないものから、生命を脅かす病気までさまざまです。
まず、どのような熱なのかがポイントになります。
発熱のタイプによって適切に対処
解熱剤は避けたほうがいい?
発熱は、身体が細菌を撃退するため免疫機能を活発化させている証であることから、解熱剤などで体温を無理に下げると、細菌の増殖を手助けしてしまうことになりかねません。
体温が高くなれば、細菌やウイルスを撃退するために有利な状況をつくることができます。
むやみに熱を下げてしまうと、ウイルスへの攻撃が弱くなり、回復が遅くなる場合があります。
インフルエンザによって起こる発熱
インフルエンザと風邪の違い
とは言え、急に40度以上もの高熱を出すこともあるインフルエンザでは、仕事をお休みしなくてはならない。
困りますよね。
風邪かと思ったら、インフルエンザだった!
そんなこともあるでしょう。
風邪もインフルエンザも同じ季節に流行るし、症状も似ています。
自分で判断するのは難しいのです。
- 38.5℃以上の高熱
- 悪寒(ぞくぞく)
- 全身がだるい
- 関節痛
- 筋肉痛
- 頭痛
- 鼻水
- せき
これらの症状があるのなら、インフルエンザの可能性も十分考えられます。
症状が重く辛い場合、かかりつけのクリニックで診てもらいましょう。
インフルエンザの高熱は、ピークでは、40℃前後にまで達することもあり、とてもつらいです。
インフルエンザの高熱は注意が必要
特に免疫力が弱い高齢者や幼い子どもの場合、注意が必要です。
高熱が続き脱水状態になりやすいとも言われています。
持病が悪化し重症化してしまうこともあります。
インフルエンザ感染をきっかけに亡くなってしまうことも少なくありません。
また、インフルエンザの高熱には、医師から処方された薬を、医師の指示の通りに正しく使いましょう。
微熱が続く場合
高熱だけなく、微熱が続く場合も要注意です。
感染症以外で発熱する病気では、膠原病やバセドウ氏病ともいわれる甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患もあります。
これは、体をまもる免疫システムの異常が関係します。
特にバセドウ氏病の場合、平熱よりやや高いくらいの微熱が何日も続くという症状が出ることがあります。
このほか、ストレスやアレルギーが原因の発熱もあります。
ストレスによる発熱
ストレスや精神的な原因により、発熱が説明されることもあります。
ストレスが原因なら、心療内科に行こうと思うかもしれません。
しかし、この場合も、まずは内科でしっかり検査や診断を受けてからの方がいいかもしれません。
何かしら病気が隠れているかもしれません。
アレルギーによる発熱
日常生活にはアレルギーの原因になる物質がたくさんあります。
- 食品
- 薬
- 花粉
- ダニ
- ハウスダスト
これらに触れて熱が出ているのなら、それも、体内に入った異物に対してそれを排除しようと免疫反応が過剰に起こった状態です。
アレルギーを特定する血液検査をしたほうがいいかもしれません。
早めの診療が大切
そういった風邪や胃腸炎以外の原因を突き止めるためにも、早めの受診が必要となります。
発熱の診療においては、インフルエンザ等による急な高熱への対処はもちろん、原因がわからないまま慢性的に続く微熱の原因を解明することが重要です。
特に、1週間から10日以上続く微熱の場合、早めの受診をためらわないことが大切です。