2016.04.01(Fri) - 20:46 - 8:46 pm
『痛風発作』『高尿酸血症』何科にかかれば良いの? スタッフブログ
『痛風発作』『高尿酸血症』何科にかかれば良いの?
何科のクリニックにかかればいいかわからない
ついに痛風になってしまったかも!?
何科にかかればいいんだろう??
「突然、足の親指の付け根から猛烈な痛みに襲われた」
「病院で診てもらいたいが何科に行けば良いんだろう?」
「整形外科かな?内科かな?」
などと悩まれるかと思います。
転んだりひねったりと、どこかで痛めた覚えがないならば、
高尿酸血症による痛風発作と診断されるかもしれません。
しかし、そんなに簡単に痛風発作と診断してもいいのでしょうか?
これから、二人の患者さんの例を紹介します。
あなたが何科にかかればいいか、じっくり考えてください。
>>参考:痛風・高尿酸血症をすぐ治療・検査したい【痛風のまとめ】
え、これって痛風じゃないんですか⁉
痛風じゃないなら、どんな病気!?
どうでしょうか、あなたはあてはまりますか?
日頃あまり体を動かさない、運動する機会がない、いつも日中はデスクワークで座っている、
運動不足と生活習慣が乱れているせいか、
体重は若い頃から10㎏以上増えている、
健康診断の結果をろくに見ないで捨ててしまっている。
自分は少なくともあまり健康ではないと思っている。
もしも、尿酸値が高い状態ならば、痛風発作の可能性もあるでしょう。
他の生活習慣病を合併していることも少なくはないので、内科でひと通り診察してもらうことも大切です。
尿酸値が高いならば、服薬と生活習慣の改善が必要だと思います。
ただし、転んだりひねったりと、どこかで痛めた覚えがなくても骨がいたむことがあります。
急に運動を始めたり、足に無理な負荷をかけ続けてしまったりして、骨がいたむ場合があります。
そのようなときは、整形外科のクリニックを受診すべきだと思います。
痛風発作だと思って経過をみていたら、 実は骨の異常、たとえば骨折だったということもあります(実際はそんなに多くはありません)。
『痛風発作』『高尿酸血症』何科にかかれば良いか、ますます迷わせてしまっているかもしれません。
>>参考:痛風・高尿酸血症をすぐ治療・検査したい【痛風のまとめ】
痛風かもしれない!?日頃から健康に気を使っているOAさん
健康的なあなたにも起こる、他人事ではないあの病気
体型は中肉中背、健康意識が高く、週一回程度ランニング
33歳・男性・O.A.さんは、既婚で保育園に通うお子さまがいます。
父親も兄も高尿酸血症(尿酸値が高い状態)のため内服治療中です。
20歳代から健康診断では高尿酸結晶を指摘されています。
体型は中肉中背、健康意識が高く、週一回程度ランニングをしています。
通勤時間は約1時間弱、都内まで電車です。
最寄り駅までは15分間、健康を意識していつもやや早歩きしているそうです。
飲酒は、週に2回くらい、自宅で350mlのビールを1本開けるくらいです。
食生活も偏ったところはなく、油物や炭水化物を多く取りすぎる事は無いようです。
朝食はパン1枚、目玉焼きやソーセージ、軽いサラダなども食べています。
昼食は会社の食堂で定食が多く、丼ものや麺類を食べることもありますが、あまり大盛りにはしないそうです。
夕食は、仕事の付き合いでたまに外でとることもありますが、ほぼ毎日自宅。
奥様の作る料理は、野菜は多め、栄養バランスがとれています。
O.A.さんは肉よりも魚が好きなので、焼き魚や煮物などのメニューが多いようです。
甘いものはあまり好きではなく、間食も家族や知人と休日一緒に過ごすときにたまに食べる程度です。
コーヒーには砂糖を入れず、ブラックで飲んでいます。
暑い夏の日、家族で1日公園に出かけ、休日を楽しんだ夜、それは突然起こりました。
右足の親指に走った突然の激痛で目が覚めたのは、深夜のこと。
痛みは次第に強くなり、親指の付け根は、だんだんと赤く腫れ上がります。
指が布団に触れるだけ、シーツに擦れるだけで、痛みを感じるようになってきます。
特にどこかにぶつけた覚えもない、ひねった覚えもない、無理に運動して負荷をかけた覚えもありません。
「もしかして痛風発作じゃない?尿酸値が高いのずっと放っておいてるでしょ?」
奥様にそう言われ、翌日会社を休んでかかりつけの診療所にクリニックに受診することにしました。
かかりつけのクリニックでは血液検査、尿検査、右足親指付け根のレントゲン、超音波検査を行いました。
今までの健康診断の結果も持参しました。
ここまで読んでいただいた皆さん、この患者さんの右足の親指の痛みは、どんな病気が原因だと思いますか?
痛風発作です。
痛風発作は、尿酸値の高い状態が続くことが原因で、関節に炎症が起きる病気です。
不摂生な食事や、脱水が原因で発症することもあります。
この患者さんの場合、暑い夏の日に出かけ、十分な水分を取らなかったために、脱水がさらに進む夜間・早朝に痛風が発症したものと考えられます。
次に、高尿酸血症について考えてみましょう。
この患者さんは生活習慣はそんなに悪くないように思えます。
食事内容も偏りがなくバランスが取れているように思えます。栄養管理は奥様がしっかりしているようです。
少しですが運動習慣もあるようです。
肥満体型ではなく、飲酒量もさほどではありません。
ただし父親やお兄様に高尿酸血症があり、家系的に見ても尿酸値が高いのかもしれません。
こうした患者さんは決して少なくありません。
痛風発作を起こしたことがない高尿酸血症の患者さんに対して、積極的に内服治療を行うことの是非については、未だ議論がなされています。
痛風発作を味わったことのある患者さんの多くは、もう二度と起こしたくないという思いが強く、内服治療をご希望されます。
高尿酸血症のあなたには、どういった治療法が適切なのか、信頼できる経験豊富なかかりつけの先生にぜひ相談してみましょう。
>>参考:痛風・高尿酸血症をすぐ治療・検査したい【痛風のまとめ】
痛風かもしれない!?運動をはじめた S.A.さん
若い頃から体重が増えてしまった、運動してダイエットしよう
体重を減らすためにランニングをはじめた元運動部の28歳
28歳のS.A.さん。
会社の同僚と結婚したのは2年前。
野球部で鍛えて当時までは筋肉質だった体も、新婚生活ですっかり変わってしまいました。
約15キロも体重が増えてしまいました。
健康診断では尿酸値や肝機能、中性脂肪の異常を指摘されています。
仲の良い友達と久しぶりに出場した地域の野球大会、重い体のせいで全く動けなかった自分が情けなく、落ち込んでしまいます。
奥様にもそろそろ痩せないとねと言われてしまいます。
一念発起して、ランニングを始めることにしました。
普段は行かないスポーツ用品店に出向き、靴やウェアを揃えました。
初日から約十数キロのランニングを走りきります。
気持ちは日に日に高まり、ランニングへの意欲が増していきます。
奥様からははじめから少し飛ばしすぎなんじゃない、と言われてしまいますが、
もともと体育会系で負けず嫌いだったこともあり、
固く決意し毎日走ることになりました。
数日間十数キロのランニングを経て、少々膝が痛くなってきます。
少し休んだほうがいいかなぁと思い始めた頃のことです。
朝起きると右足親指の付け根に何か違和感がありました。
いつも通り出社準備を整え、革靴を履いた際に、また違和感があるのです。
最寄り駅までを歩いていく途中でさらに痛みは増し、会社に着く頃にはただ軽く足を地面につくだけでかなりの痛みを感じるようになってしまいました。
同僚達からは、
「普段の不摂生がたたって、ついに痛風発作が起こったんじゃない?」
「いつもビールやチューハイばかり飲みすぎてるからじゃない?」
と笑われてしまいます。
足の痛みは数日たっても全然良くなりません。
それに加え、両膝も痛みを感じるようになってしまいました。
S.A.さんは思います。
これは痛風発作を発症してしまったに違いない、なんでだろう、しっかり運動して生活改善に努めようと思っていた矢先なのに。
妻にもやっと応援してもらえるようになり、ランニングに出かける背中に温かい言葉をかけてもらえていたのに。
痛風発作は無情にもこんなタイミングで発症するんだなぁ、
今までの不摂生な生活習慣を改めて悔しがるのでした。
近所にあるかかりつけの内科クリニックを受診します。
優しい男性の医師は、40歳代で、「何でも気軽に相談できる先生」という感じ。
足を引きずりながら診察に入ります、もしかして痛風じゃないかと思ってきました。
「見せてください、あらずいぶんと痛そうですね、でも痛風にしてはあまり腫れ上がっていないように見えます。
レントゲン、超音波検査、採血・尿検査をして状態をチェックしましょう。」
この患者さんは果たして本当に痛風発作なのでしょうか?
これは当院でも年間で数人いるかいないかという程度の病気です。
この患者さん、実は痛風発作ではなかったんです。
それではこの患者さんの病気は何でしょう。
そう、疲労骨折です。
急に運動を開始して過度の負荷をかけてしまったのでしょう。
しばらく体動かしていなかった状態で、急に過度の負荷をかけながら運動してしまったからだと思われます。
以前に比べかなり増えた体重に堪え兼ねて、骨が悲鳴をあげてしまったんですね。
ダイエット目的に運動を開始する際は、無理せず徐々にペースを上げていくようにしましょう。
これは以前運動部などに所属し、体力や筋力に自信がまだあるような方が、
過度に頑張ってしまう時に起こりやすいかもしれません。
負けず嫌いの方にも多いかもしれません(笑)。
S.A.さんの場合、内科の先生が状況を的確に判断し、整形外科へと受診を促しています。
痛風が起こりやすい部位に痛みが生じたとしても、痛風でないことが時々あります。
痛風や高尿酸血症の患者さんがたくさん通院している経験豊富な医師のところに受診したいですね。
>>参考:痛風・高尿酸血症をすぐ治療・検査したい【痛風のまとめ】
あらためて、『痛風発作』『高尿酸血症』何科にかかれば良いのでしょうか?
とりあえず、内科にかかる?
どこのクリニックを受診すべきか迷っている方へ
ひとつの提案に過ぎませんが、「痛風発作以外の病気がかくれているかもしれない」そういった視点で注意深く診察してくれる内科クリニックに相談してみてはいかがでしょうか?
尿酸値が高く、尿酸値を下げる薬を飲み始めなくてはいけない方も少なくないかと思います。
急にこんな事になって「これから毎日、薬を飲まなくてはいけないのかー(^^;;」と気が重くなるかもしれません。
生活習慣の改善(①食生活の改善 ②アルコールを控える ③有酸素運動などの適度な運動をする)を合わせて行い、尿酸値を下げる事ができれば、薬をやめることも夢ではありません。
ただし、体質のために服薬を続けなければならない方もいます。
一言で生活習慣の改善と言っても、直ぐに全て良い状態にできる訳は有りません。
厳格な飲酒制限や食事制限はかえってストレスになり暴飲暴食を招いたり、過度な運動は膝や腰を痛めたりする場合も有ります。
お薬でのコントロールと共に日々の生活の中で、できる事から少しずつ見直していけば良いのかなと思います。
定期的な通院が必要となった場合、医師がお薬でのコントロールの内容や食生活のポイント、飲酒の量、どういった運動が良いのかなど…お伝え出来ると思います。
>>参考:痛風・高尿酸血症をすぐ治療・検査したい【痛風のまとめ】
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