糖尿病のインスリン注射
いつから誰が
うつ必要があるのか?
やめられる?
インスリン注射をやめたい、相談したい
いつから誰がうつべき?
著作・監修
医学博士
大場啓一郎
目次
どうやったらインスリン注射を
卒業できるの?
もうやめてもいいですか⁉
インスリン注射を減らしたい
インスリン注射がはじまってしまった…
あなたはなぜインスリンを注射しているのでしょうか?
食事療法、運動療法、お薬などによっても、血糖コントロールがうまくいかない方、血糖値やHbA1cが高い状態をすみやかに改善する必要がある方など、 インスリン注射が必要な患者さんはたくさんいます。
インスリン投与によって、危険な状態にある血糖値をすみやかに下げて、命を守る必要がある方もいるのです。
医師からインスリン注射を提案されたら、あなたの血糖値はそれなりに高い状態であることをわかってください。
かかりつけの医師とじっくり相談し、糖尿病を良くするために今までの何かを変えていく必要があります。
インスリン注射をやめるために、
あなたがすべきこと
食事含めた生活習慣の改善に、
どうしても取り組まなければいけません
糖尿病は薬だけで完治できる病気ではありません
インスリン注射をしているということは、あなたが糖尿病の薬物治療、糖尿病の食事療法、糖尿病の運動療法だけでは血糖値やHbA1cが高い状態が続くために、治療効果が不十分と判断されているからです。
もしくは、血糖値が高い状態をすみやかに改善しないと命の危険があるからです。
インスリン注射をやめる・減らすためには、糖尿病の状態を改善する必要があります。
具体的には、血糖値やHbA1cを改善させる必要があります。
血糖値とHbA1cの目標目安は、「空腹時血糖値130mg/dL未満、食後2時間値180mg/dL未満、HbA1c7.0%未満」です。 これは、糖尿病の合併症(細小血管症)予防の観点から設定されている数値です。
糖尿病網膜症、糖尿病神経障害、糖尿病腎症などを発症しないよう、血糖値やHbA1cをコントロールすることが大切です。
>>引用元:糖尿病の血糖測定はいつ・なぜするの?いくつならOK?
では、血糖値やHbA1cを改善させるためには、何をすればいいのでしょうか?
まずは、かかりつけの医師ときちんと話し合い、治療方針を確認することです。
糖尿病を悪化させない方法、少しでも良くする方法をきちんと聞いておきましょう。
インスリン注射、
いつから誰がうつ必要があるのか?
インスリン注射って、
どういう人がうつことになるのか?
インスリン注射をはじめる基準があります
血糖コントロールが悪い方が
インスリン注射をはじめたほうが良いとされています
ごく一般的には、食事療法、運動療法、薬物治療で思うように治療効果がみられない場合、インスリン注射がはじまると考えてください。
インスリン注射だけではなく、最近はGLP-1受容体作動薬といって注射薬ですがインスリンではないものもあります。
しかし、徹底的に血糖値やHbA1cを下げるためには、インスリン注射が必要だと考えてください。
インスリン注射をしたほうが良いとされている基準(インスリン療法の相対的適応)
>>引用元:一般社団法人 日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2019
上記いずれかにあてはまる方は、インスリン注射をしたほうが良いとされています。
インスリン注射を開始するほとんどのケースは、こちらの基準を満たしたことによります。
食生活が乱れていなくてもがインスリン注射が必要な方がいますが、実際ほとんどの方がいわゆる糖質(甘いもの・お菓子・炭水化物(白米、パン、麺))の食べ過ぎ、食事療法ができていない方が多い印象を受けます。
お仕事や家庭で日々忙しくストレスも多く、食生活が乱れている方がほとんどだと思います。
インスリン注射をしても糖尿病が治るわけではありません。
インスリン注射は必要なのですが、危険な状態をとりあえず安全な状態にしているだけです。
根本的に、糖尿病は薬やインスリンで治る病気ではありません。
糖質(甘いもの・お菓子・炭水化物(白米、パン、麺))の食べ過ぎに気づき、食生活を変えていくことが最も大切です。
インスリン注射をしたほうが良いとされている
その他の基準(CPRインデックス(CPI))
少し難しいので読み飛ばしてかまいません
血液中の早朝空腹時Cペプチド(CPR)や血糖値から、CPRインデックス(CPI)を計算し、糖尿病の患者さんがインスリン注射をすべきなのか判断することがあります。
CPI = 血中CPR ÷ 血糖値 × 100
CPI≧1.2
食事療法・薬物治療
CPI<0.8またはCPR≦0.5ng/mL
インスリン注射
インスリン注射を絶対しないと命が危険な基準
(インスリン療法の絶対的適応)
少し難しいので読み飛ばしてかまいません
実際こちらの基準にあてはまる方は、糖尿病合併妊娠以外入院となる場合が多いので、こちらを読んでいる方にはあてはまらないと思います。インスリンは血糖コントロールの切り札として、医療現場ではとても大切な薬なのです。
- インスリン分泌がほとんどない
- 高血糖による昏睡状態
- 重度の肝臓・腎臓障害があり、食事でコントロールできない
- 重症感染症、外傷、外科手術時
- 糖尿病合併妊娠
- 点滴栄養時の血糖コントロール
インスリンって、
いつどうやって注射するの?
インスリン注射は食前?起床後?就寝前?
何をうてばいいの?
患者さんに合わせたインスリン注射
インスリン注射も
患者さんひとりひとりの状況に合わせて選んでいます
当院では、患者さんの状態によって、いつどのようにインスリン注射を行っていくか、医師と相談しながら決めていきます。
1日1回のインスリン注射に加え、糖尿病の薬を内服して頂く場合、毎日食前にインスリン注射を行い、さらに寝る前や朝に1日1回のインスリン注射をする場合、1日2回のインスリン注射を行う場合、インスリン注射に加え、GLP-1受容体作動薬という注射を追加で行う場合、様々なパターンがあります。
患者さんの病状、体質、生活習慣などを総合的に判断して、どれが一番合った治療法が相談して決めていきます。
インスリン注射をはじめる際、インスリン注射の方法(いつ、どこに、どれぐらい、どうやって)、血糖測定器のお渡しと説明、低血糖やシックデイの説明をしっかり行います。
どうぞご安心ください。
インスリン注射をやめるために、
何をすべきか?
やっぱりやめたいインスリン注射
一度はじめたら、もう一生やめられない!?
インスリン注射のことだいぶわかってきたけど、
やっぱり面倒くさい!
インスリン注射がはじまると、血糖測定も行わなければなりません。
低血糖やシックデイの心配もあります。
なるべくインスリン治療はやめたい、卒業したい…どうしたらいいのでしょうか?
「一度はじめたら、もう一生やめられない」
これを信じている患者さんも少なくありません。
はたして本当に、インスリン治療は「一度はじめたら、もう一生やめられない」のでしょうか?
これから大切なことをお伝えしたいと思います。
なぜインスリン注射を卒業できたのですか?
インスリン注射も糖尿病の薬もやめられる人が
少なくありません
「一度はじめたら、もう一生やめられない」と信じている方がいるほど、インスリン治療はやめるのが難しいとされているようです。
はたして本当にそうなんでしょうか?
決してそんなことはありません。
もちろん、人によってはそう簡単ではないかもしれません。
ただし、インスリン治療をやめるために、あなたでも今日からできることがあるのです。
インスリンも薬もやめたい減らしたい方が
今日からやれること
糖尿病を改善するために、まずは食生活を変えましょう
ごはん、パン、麺類を半分にしてみましょう
最も大切なのは食事療法です。
食事療法というと難しく聞こえるかもしれませんが、ぜひシンプルに考えてください。
糖尿病を良くするために、インスリンも薬もやめるためには、いわゆる糖質(甘いもの・お菓子・炭水化物(白米、パン、麺))をなるべく食べないことです。
「なるべく食べない」が難しいと思った方は、とりあえず間食や糖質が入った飲み物をやめ、炭水化物の主食(白米、パン、麺)を半分にする、まずはこれだけで大丈夫です。
※食事療法をはじめる時は、自分だけで判断せず、必ずかかりつけの医師に相談してください。低血糖や糖尿病の合併症の悪化などリスクがあります。
※やせている方、栄養状態が低下している方には、こちらの方法はおすすめできません。
HbA1cが下がってきます。
下がる具合をみて、ゆっくりやってもいいかもしれません。
他にも、糖尿病を良くしたい方、体重を減らしたい方が知るべきことがいくつかあります。
くわしくは、こちらの記事をご覧ください。
インスリン注射と糖尿病の薬、
できるならやめたい
インスリンと薬で逆に太ってしまう⁉
インスリン注射は血糖値を下げ、糖毒性を改善するためにはとても良い方法です。
インスリンが膵臓からよく出るように働く薬(チアゾリジン薬、スルホニル尿素(SU)薬や速効型インスリン分泌促進薬(グルニド薬))も血糖値を下げはしますが、インスリン治療と同様に体重は増えてしまいます。
インスリンがたくさん働くと、食事で摂った糖質は肝臓や内臓脂肪や筋肉内にどんどんたまっていきます。
脂肪肝や肥満が進んでしまうことになります。
そして、動脈硬化も進んでしまいます。
ただし、あなたの命を守るために、インスリン注射はしばらく続けなければいけません。
インスリン注射は治療の切り札として必要なのですが、危険な状態をとりあえず安全な状態にしているだけです。
根本的に、糖尿病は薬やインスリンで治る病気ではありません。
あなたはインスリン治療をしっかり続ける一方で、インスリン治療がやめられるよう、やるべきことがあるのです。
この先通院さえやめることができるために、何をしなくてはいけないか、くどいようですがもう一度繰り返します。
この先、糖尿病の通院を
やめられるかもしれません
まずあなたがすることは…
糖質(甘いもの・お菓子・炭水化物(白米、パン、麺))をなるべく食べない食生活を習慣づけましょう。
インスリン注射やスルホニル尿素(SU)薬や速効型インスリン分泌促進薬(グルニド薬)を使用している方、複数の治療薬を使用している方は低血糖になるリスクがあり、食事療法や運動療法は、必ずかかりつけの先生やくわしい医師にアドバイスをもらいながらやってください。
糖尿病を完全に治せなくても大丈夫、少しでも良くできるよう、私たちがサポートします。
インスリン注射を導入された糖尿病患者様でも当院への通院は可能です。
ご予約なしで受診可能です。
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著作・監修
大場啓一郎
- 医学博士
- 医療法人社団若葉堂 理事長
- 大場内科クリニック 院長
「なんでも話し合える相談できるかかりつけ医」
病院嫌い、病院が苦手な方でも
通院できるクリニックです。
糖尿病を中心とした生活習慣病の診療を受けることができます。
糖尿病は生活習慣の見直し、食事・運動習慣の改善など、患者さんと相談しながら行っていくことが得意です。
糖尿病のみならず、高血圧、脂質異常症(高コレステロール血症、高脂血症)、痛風・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの診療も行っています。
大場内科クリニックはJR相模原駅徒歩1分とアクセス抜群です。
予約なし、紹介状なしで気軽に受診することができます。
内科・糖尿病を中心として呼吸器内科、循環器内科、消化器内科など幅広く診療しています。
いびき・睡眠時無呼吸症候群、在宅酸素療法、禁煙外来などの専門外来も併設しています。